コチラ、千葉妖怪廠(チバヨウカイショウ)ハ、
千葉県各地に伝わってる妖怪たちをあつめたサイトです。

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千葉妖怪帖

●領域について

『千葉妖怪廠』では、千葉県の妖怪をあつめて紹介していますが、千葉県はむかしの国の割り方でみてみると、おおきくわけて3つの国に分割されます。

 ・下総 (しもうさ)・ 上総 (かずさ)・安房 (あわ)

――以上の3つがそれです。ですけれども、47都道府県にわかれたときの区切りでいえば下総の国にあたる領域は、千葉県のなかに入ってる土地もあれば茨城県のなかに入ってる土地もあり、「下総」とあるだけでは一概に「千葉県」だ、と言えない部分も含まれてます。

●大まかな伝承下地

千葉では、寺社に関係した伝承は全域で数多く残ってます。香取神宮(香取)・船橋大神宮(船橋)・千葉神社(千葉)・成田山(成田)・玉崎神社(埴生)・麻賀多神社(印旛・佐倉など)・広済寺(山武)・鹿野山(君津)などが名前の大きなものとしてあるほか、神仏習合の頃の理論として登場する日本のしたにあるという大日の印は、印旛沼の真下にあたる位置にある等という一説などもあったりしたようです。

人物では源頼朝、平常将、また古い時代では日本武尊や平将門についての伝承が多いほか、佐倉惣五郎がお芝居や演芸などを通じてよく知られていました。安倍晴明に関しても千葉県のおもに北東部(茨城県の南東部と重なります)に言い伝えがあります。

ほかには曲亭馬琴『南総里見八犬伝』、2世為永春水『八犬伝後日譚』の作品舞台に、千葉の地名は多く登場したりもします。

●妖怪の種類

千葉の妖怪たちは、民間に伝承されるものでは地域による変遷の差は特に大きく無く、市街部・農村部・漁村部などでもだいたい近世末〜明治・大正ころのものが残っています。そこ以外の時代のものになるとあまり文献にまとまって残っているものは多くはなく、まだまだ今後の捜査が必要な面は多くあります。

化け動物
證誠寺(木更津)の狸のはなしは、そのエッセンスが大正時代に童謡の題材として作詞作曲されて間接的に全国区で歌として親しまれてますが、狸(たぬき)や狢(むじな)と狐(きつね)に関する伝承は、よその地域同様に多く語られてたようで、名前のあるなしに関わらず(日本の各地にいる「おさん狐」といった呼び名も千葉のいくつかの地点に確認ができます)その数は多いものと見てよいみたいです。

天狗・鬼
天狗や鬼については、高い山岳の少ない地形のためでもあるか、古い時代の伝説・あるいは身近に出没した存在としては、寺社や地名の縁起物語などとして語られてる存在として登場するもの以外にはそこまで目立ったものはないようです。ただ、修験道などがさかんだった中世から近世頃の情報が明治以後、広く目に止められたり残ってたりすることが少ないためによる欠落も多いと考えることは出来るので、そのあたりを開拓してゆくと実数は増えることもあるのではないかとも考えられます。

河童
利根川流域や印旛沼周辺など、水域の濃厚な地域では河童の存在は伝承されてます。淵や池などに関する伝承については数が揃っていないのであまり俯瞰できませんが牛・蟹などよりも竜・蛇が大部分を占めているのかなという感じはあります。

俗信
俗信のなかに見られるものは拾い取ることの出来るものはまだまだ多いと思います。

制作
氷厘亭氷泉(こっとんきゃんでい